軽貨物ドライバーが経費にできるものとは?確定申告の必要性や作成方法を紹介

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軽貨物ドライバーは自分のタイミングで働けることが魅力ですが、場合によっては確定申告が必要になるケースがあります。確定申告は手間がかかりますが、仕事で発生した費用を経費として計上できるため、節税できる可能性があります。

軽貨物ドライバーに興味がある方のなかには、「経費にできるものはなに?」「どうやって確定申告するの?」と考えている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、軽貨物ドライバーが経費にできるものやできないもの、確定申告が必要になるケースや確定申告書の作成方法などについて詳しく解説します。

軽貨物ドライバーが経費にできるもの

軽貨物ドライバーで経費にできる内容の説明

ここでは、軽貨物ドライバーが経費にできるものを紹介します。

消耗品費

消耗品費とは、仕事で使用する道具や事務用品、車両の維持・メンテナンスに必要な消耗品などにかかった費用を指します。一般的に、10万円未満で購入したものや使用期間が1年未満のものが消耗品費として経費計上が可能です。たとえば、仕事で使う文房具やガソリン代、車両を整備するための車用品などが消耗品に該当します。

地代家賃

地代家賃とは、仕事の拠点となる事務所や営業所にかかる家賃を指しています。自宅を事務所や営業所として指定している場合は、家賃のなかから家事按分として経費計上することが可能です。また、仕事で使用する月極駐車場がある場合は、その月額料金も地代家賃として計上できます。なお、コインパーキングの利用料金は該当しないため、注意が必要です。

水道光熱費

水道光熱費とは、事務所や営業所で使用される電気代やガス代、水道代などの光熱費を指しています。地代家賃と同様に、自宅を事務所や営業所として使用している場合は家事按分として経費計上が可能です。なお、ガス代は軽貨物ドライバーの仕事に必要ないと判断されるケースが多く、経費として認めてもらえない可能性があります。

広告宣伝費

広告宣伝費とは、一般的に自社の商品やサービスを宣伝したり求人募集などを出した際に発生する費用を指します。基本的に広告やイベント出展など、事業を促進するための広告活動はすべて広告宣伝費の対象であり、経費として計上することが可能です。軽貨物ドライバーの場合は、ドライバーや事務員を募集するために求人広告を出した際に発生する広告掲載費が広告宣伝費に該当します。

車両費

車両費とは、車両を維持・管理するために必要な費用を指します。日常的に必要なガソリン代やメンテナンス費、高速代や洗車代に加え、車検代や検査登録費用など、車両に関係するものは経費として計上することが可能です。なお、ガソリン代については、車両の使用頻度によって「消耗品費」や「旅費交通費」などに仕分けすることもできます。

旅費交通費

旅費交通費とは、仕事上の移動や出張などで発生した費用を指します。交通費はもちろん、出張した際に宿泊した場合は、その費用も対象です。軽貨物ドライバーの場合は、契約先や取引先を訪問する際に発生した高速代や駐車場代などが、旅費交通費として経費計上できます。また、ガソリン代も旅費交通費に該当するため、適切と判断された場合はこちらに仕分けしても問題ありません。

通信費

通信費とは、仕事で使用するインターネット回線や携帯電話の利用にかかった費用を指します。軽貨物ドライバーの場合は、事務所で使用しているインターネット回線や仕事で使用している携帯電話の利用料金などが経費として計上可能です。なお、インターネット回線や携帯電話をプライベートでも使用している場合は、家事按分として計上しないといけないため、注意が必要です。

損害保険料

損害保険料とは、車両の自賠責保険や任意保険の支払いに発生した費用を指します。軽貨物ドライバーの場合は、仕事で使う車両にかけている自賠責保険や自動車保険の掛金、さらには事務所や営業所にかけている火災保険料が経費として計上することが可能です。一般の方より事故リスクが高い軽貨物ドライバーは、さまざまな保険に加入するため、掛金を経費として計上することで節税できます。

利子割引料

利子割引料とは、仕事で使用する車両を購入する際に借り入れた自動車ローンや事業運転資金として借り入れたローンの「利子」に関する費用を指しています。経費として計上できるのは利子部分に発生した費用のみであり、元本の支払いに発生した費用は経費として認められないため、注意が必要です。

会議費・接待交際費

会議費・接待交際費とは、取引先との打ち合わせで発生した飲食費を指しており、1人当たり5,000円未満が支出の目安です。
飲食費だけではなく、取引先との旅行や宴会での接待費用、お中元やお歳暮を購入する際に発生した費用なども、経費として計上が可能です。

ただし、プライベートで発生した飲食費や旅行費用は経費として認められないため、仕事とプライベートで発生した費用は分けて管理することをおすすめします。

租税公課

租税公課とは、国税や地方税などの「租税」と国や地方公共団体などに収める罰金や公費に当たる「公課」を示す費用のことです。軽貨物ドライバーの場合は、自動車税や事業税、不動産所得税や固定資産税など、一部の税金が経費として計上できます。税金の他にも、同業者組合や商工会議所などの会費も経費として計上することが可能であり、幅広い費用が対象です。なお、所得税や住民税、延滞税や加算税は経費として認められません。

減価償却費

減価償却費とは、事業で使用する固定資産をそれぞれの資産の耐用年数に応じて取得費用を分割して計算したものです。取得金額が10万円以上のものが対象であり、軽貨物ドライバーの場合は、車両や機械装置などが経費として認められます。減価償却費の計上方法は資産の種類や金額によって異なるため、分からない場合は税務署や税理士に相談するようにしましょう。

軽貨物ドライバーが経費にできないもの

軽貨物ドライバーで経費にできないものの内容説明

ここでは、軽貨物ドライバーが経費にできないものを紹介します。

借入金の元本

車両を購入するための資金や事業運転資金を借り入れた場合、利息は経費として計上することが可能です。しかし、元本は事業の資産と負債の移動を示すことから、経費として計上することができません。借入金を返済した際は、誤って元本を経費に含めないように注意しましょう。

業務中の交通反則金

業務中に発生した交通反則金は、「業務に必要なもの」と思われがちですが、必要経費として計上することはできません。スピード違反や駐車違反などによって支払った交通反則金は法令違反に基づく費用であり、あくまで個人の事情によるものです。ただし、レッカー代は違反というより車両移動費としての側面が強いため、雑費として経費計上できる可能性があります。

社会保険料・生命保険料

軽貨物ドライバーやその家族の社会保険料・生命保険料は、経費として計上することはできません。理由としては、社会保険料・生命保険料は事業を営むために必要な費用ではなく、事業と直接的な関係がないからです。ただし、社会保険料・生命保険料は確定申告の控除の対象となるため、節税効果はあります。

業務外の自動車関連費用

たとえ仕事で使用している車両でも、プライベートの行事や買い物など、個人的に使用した際に発生するガソリン代や高速代は、経費として計上できません。業務外の自動車関連費用はあくまで個人的な支出であり、業務とは一切関連がないため、必要経費の対象外です。

食費

たとえ業務中であっても、朝食や昼食などにかかった食費は経費として計上できません。業務中の食事は事業に直接的な関係がなく、あくまで個人的な支出のため、必要経費として認められません。ただし、取引先との打ち合わせや接待などで発生した食費は業務上必要な経費としてみなされるため、問題なく計上できます。

軽貨物ドライバーに確定申告が必要になるケース

専業や副業にかかわらず、年間の収入が一定の金額を超えると確定申告をしなければなりません。確定申告は手間がかかりますが、正しく行うことで節税につながるため、忘れずに行うようにしましょう。ここでは、軽貨物ドライバーに確定申告が必要になる2つのケースを紹介します。

専業として所得が48万円を超えた場合

軽貨物ドライバーは好きなタイミングで仕事ができることから副業としてはじめる方が多いですが、後に独立して専業(個人事業主)として働く方も少なくありません。専業(個人事業主)として軽貨物ドライバーをする場合は、年間の収入が一定額(最低48万円)以上あると確定申告が必要になります。ここでいう一定額とは、個人や世帯の状況で異なるため、専業の軽貨物ドライバー全員が同じとは限りません。

副業として所得が20万円を超えた場合

普段は会社員として働いていて、休日や空いた時間に副業として軽貨物ドライバーをする方も多いです。副業で得た収入が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要になります。確定申告を怠って適切に納税できなかった場合は、「無申告加算税」や「延滞税」などのペナルティが課せられるため、注意が必要です。

白色申告と青色申告の違い

白色申告と青色申告の違い

確定申告には、白色申告と青色申告の2種類があります。ここでは、白色申告と青色申告の違いを紹介します。

白色申告の特徴

白色申告とは、単式簿記で記帳できる確定申告であり、確定申告のなかでもっともシンプルな申告方法です。申告する際は、確定申告書と収支内訳書の提出が必要ですが、資産や負債の状況を記載する必要はありません。事業上の損益の状況を集計するだけで済むため、多くの手間がかからないことが特徴です。

比較的シンプルな帳簿作成で済むことはメリットですが、白色申告には後述する青色申告のような控除がないため、節税効果はあまり高くありません。

青色申告の特徴

青色申告とは、複式簿記による記帳を必要とする確定申告であり、最大で65万円の控除が受けられることが特徴です。「青色申告特別控除」には、65万円・55万円・10万円の3段階の控除があり、10万円の控除のみを利用する場合は、複式簿記を使用しなくても問題ありません。

しかし、複式簿記による申告は最大で65万円の控除を受けられるだけではなく、赤字が3年間繰り越せるなどの税制上のメリットがあるため、なるべく複式簿記を使用することをおすすめします。複式簿記の知識がない方や自分でできるか不安な方は、税理士へ依頼するか会計ソフトを活用するとより正確に記帳できます。

軽貨物ドライバーが確定申告書を作成する方法

軽貨物ドライバーの仕事で確定申告をする方法

確定申告をする際に必要となる書類は、白色申告と青色申告で異なりますが、共通する書類もあります。白色申告と青色申告で共通する必要書類は以下の通りです。

  • 確定申告書
  • 本人確認書類
  • 所得金額がわかるもの
  • 各種控除の申請に必要な書類
  • 銀行口座がわかるもの

白色申告の場合は収支内訳書の内容、青色申告の場合は青色申告決算書の内容を基に、確定申告書に必要な情報を記入します。なお、確定申告は翌年の2月16日〜3月15日が提出期限となっているため、「無申告加算税」や「延滞税」といったペナルティを課せられないためにも早めの準備を心がけましょう。

ここからは、白色申告と青色申告、それぞれの必要書類を紹介します。

白色申告の必要書類

白色申告の必要書類は以下の通りです。

  • 収支内訳書(一般用)
  • 確定申告書
  • 各種控除に必要な書類

白色申告では、単式簿記による記帳が求められているため、比較的シンプルな作業で書類作成ができます。なお、令和4年分からは、前々年度の業務で雑所得の収入が1,000万円を超える場合は収支内訳書の提出が必須となったため、注意しましょう。

青色申告の必要書類

青色申告の必要書類は以下の通りです。

  • 青色申告決算書(一般用)
  • 賃借対照表
  • 損益計算書
  • 損益計算書細目(給与や売上など)
  • 損益計算書細目(減価償却費など)
  • 確定申告書
  • 添付資料

青色申告では複式簿記での記帳を必要としているため、その分必要書類の内容も細かくなり、量も多くなります。各書類の作成は複雑になりやすいため、作成するのがはじめての方や複式簿記の知識がない方は、税理士に相談するか会計ソフトを利用しましょう。

青色申告には税制上のメリットがあるため、専業(個人事業主)として軽貨物ドライバーをする方は青色申告をおすすめします。

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